バルブ遠隔診断ソリューションを提供開始!岡野バルブとドコモビジネスが挑むインフラ保安DX

皆さんこんにちは!FDDI事務局です。

プラントの安定稼働と人手不足解消へ。岡野バルブ製造とNTTドコモビジネス、明電舎は、セキュアなモバイルネットワークを活用し、重要インフラであるバルブの異常を非分解で検知・診断する遠隔保安ソリューションの提供を開始しました。

要約

  • 非分解のスマート保安を実現: 岡野バルブの「VQ-ORCL」と明電舎のAI技術「REMOTIER」を統合し、分解点検の手間を省いて異常の予兆を自動検知。

  • 圧倒的なサイバーセキュリティ: ドコモビジネスのIoT向けNaaS「docomo business SIGN™」により、通信データを常時監視し脅威発生時は即座に遮断。

  • 点検コスト削減と省人化を両立: 熟練工の現地移動を減らし、状態基準保全(CBM)への移行を促進することで、インフラ保安の効率化とDXを力強く推進。

重要インフラ保安の課題:なぜバルブの遠隔診断が求められるのか

電力、産業プラント、公共インフラなどの大規模施設において、バルブは流体の制御を司る最も重要な設備の一つです。しかし、これまでの発電所をはじめとする重要インフラでのバルブ点検には、主に2つの大きな課題が存在していました。

  • 分解点検に伴う莫大な時間とコスト

    従来の点検手法では、一度バルブを現場で分解して内部の状態を確認する「分解点検」が基本であり、膨大な作業工数とプラント停止に伴うコストが足かせとなっていました。

  • 深刻化する熟練工不足と技術承継問題

    インフラ点検業界全体の高齢化・人手不足が進む中、現地に赴くことなく非分解で異常を検知・診断できる「スマート保安」へのシフトが急務となっています。

こうした課題を解決するため、2026年7月8日、岡野バルブ製造、NTTドコモビジネス、明電舎の3社は共同で、強固なセキュリティと高い診断精度を両立した「バルブ遠隔診断ソリューション」の提供を開始しました。2026年3月に発電所で実施された実証実験の成功を経て、ついに社会実装へと至っています。

3社の技術を結集した「バルブ遠隔診断ソリューション」の仕組み

本ソリューションは、非分解での状態診断技術、セキュアなIoT通信、そしてAIを活用した遠隔監視プラットフォームを組み合わせることで、安全かつ効率的なスマート保安を実現しています。

バルブの稼働データが遠隔診断されるまでのシステム構造は以下の通りです。

[ バルブ設備 ]
      │
      ▼ (電流・電圧データを取得)
[ 遠隔診断技術「VQ-ORCL」 ] × [ AI遠隔監視サービス「REMOTIER」 ]
      │
      ▼ (診断データを暗号化・監視しながら送信)
[ 高セキュリティ通信基盤「docomo business SIGN™」 ]
      │
      ▼ (モバイルネットワーク経由)
[ クラウドシステム ] ── (熟練工による遠隔診断・異常検知)

1. 岡野バルブ製造:バルブ遠隔診断技術「VQ-ORCL」

バルブ駆動時の電流や電圧といった電気的データを取得し、バルブの状態を非分解で正確に診断するコア技術です。

2. 明電舎:AI遠隔監視・診断サービス「REMOTIER(リモティア)」

本来はモーターや発電機などの回転機を対象としていた明電舎の「REMOTIER」に、岡野バルブ製造の「VQ-ORCL」技術を搭載。電流・電圧データの変化から、バルブの経年劣化や異常の予兆をAIで自動検知します。

3. NTTドコモビジネス:IoT向けNaaS「docomo business SIGN™」

発電所などの重要インフラでは、外部からのサイバー攻撃リスクを徹底的に排除する必要があります。本ソリューションでは、特許取得済みのセキュリティ機能を標準搭載した専用の通信網(NaaS:Network as a Service)を採用しています。

通信網内でデータを常時監視し、悪性通信の脅威を検知した場合は、管理画面からSIM単位で即座に通信を遮断できる強固な防衛機構を備えています。これにより、大型設備や複雑な配管に囲まれた過酷なプラント環境でも、安全かつ安定したモバイルデータ通信が可能になりました。

導入によってもたらされるメリット

本ソリューションの導入により、重要インフラ企業や製造プラントは以下のような圧倒的な業務変革(DX)を実現できます。

  • メンテナンスコストの最適化(CBMへの移行)

    従来の「周期基準保全(TBM:一定期間ごとに部品を交換する手法)」から、データに基づいて異常の予兆を捉えてから整備を行う「状態基準保全(CBM)」への移行が可能になります。不要な分解点検を減らし、メンテナンスコストを大幅に削減します。

  • 保安業務の省人化・安全性の向上

    熟練工が危険を伴う現場へ直接赴く回数を最小限に抑えられるため、移動コストの削減だけでなく、作業者の安全確保や人員不足の解消に直結します。

各社の役割と今後の展望・ロードマップ

ソリューションの提供開始に伴い、3社はそれぞれの強みを活かして国内外への事業展開を加速させる方針です。

  • 岡野バルブ製造(販売および技術統合)

    本ソリューションの窓口として販売を主導。まずは国内の火力発電所や水力発電所への導入を皮切りに、将来的には高い安全基準が求められる原子力発電所、一般産業プラント、さらには海外市場への拡大を目指します。

  • NTTドコモビジネス(次世代ICTインフラの提供)

    「AI-Centric ICTプラットフォーム®」構想に基づき、重要インフラにおけるセキュアなIoT通信網の構築ノウハウを活かした提案を強化し、スマート保安の基盤を支えます。

  • 明電舎(監視プラットフォームの提供)

    「REMOTIER」の適用範囲を回転機からバルブなどの静止機器領域へと広げ、プラント一括での遠隔監視ソリューションとしての価値を高めていきます。

重要インフラにおけるセキュリティ懸念を払拭し、現場の「非分解・遠隔診断」を現実のものとした本ソリューションは、今後の製造業・インフラ保安業界におけるDXのスタンダードとなる可能性を秘めています。

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