荷主主導の共同物流ガイドラインを経産省が策定!トナミ運輸の横浜拠点やICT連携など最新事例を徹底解説

皆さんこんにちは!FDDI事務局です。

経済産業省が「物流2024年問題」のドライバー不足対策として、荷主主導の共同物流を普及させる新ガイドラインを策定。トナミ運輸など大手物流事業者の共同拠点開設や、ICTプラットフォームを活用したデータ連携・マッチングの最新動向を分かりやすく解説します。

要約

  • 経産省の新指針: 2024年問題や2030年の輸送力不足を見据え、独禁法に配慮した「荷主主導型」共同物流のガイドラインを今年度中に策定へ。

  • トナミ運輸の最新事例: JPロジスティクスと横浜に初の共同物流拠点「新横浜事業所」を開設し、配送エリアの分業化による共同配送をスタート。

  • ICTプラットフォームの重要性: 共同物流を成功させるため、積載率や荷物情報をリアルタイムに可視化・照合するデータ連携とマッチングが不可欠。

「物流2024年問題」の次なる一手、経済産業省が「荷主主導」の共同物流ガイドライン策定へ

トラックドライバーの時間外労働に年間960時間の上限規制が適用された「物流2024年問題」。この影響に伴う深刻なドライバー不足や輸送力不足に対応するため、経済産業省は荷主が主導して共同輸配送を進めるための新たなガイドライン(判断基準や留意点など)を今年度中に策定することを決定しました。

従来の物流効率化は、運送会社側が主導するケース(運送事業者型)が主流でした。しかし、積載率の向上や配送ルートの最適化を抜本的に進めるには、発注側である「荷主(メーカーや小売など)」同士の連携が不可欠です。何も対策を講じなかった場合、2030年には約30%以上の貨物が運べなくなるという試算も公表されており、国としても「荷主主導型」の共同物流を普及・定着させるための環境整備へと舵を切っています。

今回のガイドライン策定により、競合関係にある荷主同士であっても、独占禁止法に抵触しない範囲や情報交換の留意点がクリアになります。さらに、発着拠点となる物流施設の共同利用なども盛り込まれる見通しで、企業間の壁を越えたサプライチェーンの最適化が加速することが期待されています。

トナミ運輸とJPロジスティクス、横浜に大規模な「共同物流拠点」を開設

行政によるガイドライン策定の動きに呼応するかのように、物流事業者側でも大規模な共同化の動きが本格化しています。

トナミ運輸とJPロジスティクス(JPL)は2026年7月1日、神奈川県横浜市金沢区に両社初となる共同の複合物流施設「新横浜事業所」を開設しました。日本郵便によるトナミホールディングスの子会社化以降、グループ一体となった人手不足対策・リソースの有効活用を目指した協業の第1弾となります。

共同物流拠点の概要とスペック

項目 詳細スペック・内容
施設名 新横浜事業所
所在地 神奈川県横浜市金沢区福浦 3-11-2
規模 敷地面積:約33,487㎡(10,124坪)/ 延床面積:約43,785㎡(13,245坪)
立地特性 首都高速湾岸線「幸浦IC」から約2.7km、横浜港(本牧ふ頭)から約18km
施設構造 地上2階建て、トラックバース30台(各社でエリアを分担)
床荷重 2.0t/㎡(加工前の重量貨物の保管に対応するため、通常より高強度の設計)

この「新横浜事業所」では、拠点を開設した当日から共同配送(共配)をスタートさせています。北陸地方を強みとするトナミ運輸と、首都圏以西を主力とするJPロジスティクスの中間地点である横浜に拠点を集約した形です。

これまでは各社が全域で個別に集荷・配送を行っていましたが、新拠点に荷物を集約することで、神奈川県内の配送エリアを「トナミ担当」「JPL担当」「両社共同担当」の3つに完全分業化しました。これにより、1台のトラックが複数の会社の荷物を積んで効率よく回れるようになり、走行距離の削減とドライバーの拘束時間短縮を実現しています。

ICTプラットフォームを活用した「データ連携・マッチング」の重要性

荷主主導の共同物流や、物流事業者間の共同拠点を真に機能させるためには、ICTプラットフォームを活用した「データ連携」と「マッチング」が極めて重要なカギを握っています。

共同物流を実現するには、単に場所を同じにするだけでなく、以下のような高度なシステム連携が欠かせません。

  • 運送計画と荷物情報のリアルタイム共有

    どのトラックにどれだけの空きスペース(積載余力)があるのか、どの荷主がどのルートで荷物を運びたいのかという情報を、デジタル上でリアルタイムに可視化する必要があります。

  • 輸送条件の自動照合

    共同配送を行うためには、商品の消費期限(リードタイム)、壊れやすさ、温度帯(常温・冷蔵・冷凍)といった細かな輸送条件を瞬時にマッチングさせなければなりません。これらをアナログで行うのは不可能なため、標準化された物流データプラットフォームの活用が不可欠です。

経済産業省が推進する「物流MaaS(Mobility as a Service)」の取り組みでも、複数の荷主と運送事業者をシステム上でマッチングする手引書が作成されるなど、デジタル技術を前提とした仕組みづくりが進んでいます。

物流の維持が社会課題となる中、国による「ガイドライン策定」、大手事業者による「拠点の共同化」、そして「ICTによるデータ連携」の3つが揃うことで、持続可能な新しい物流インフラへの移行が急速に進んでいます。

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おわりに

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