【イスラエル】InnovizとGivonが対ドローン(C-UAS)LiDAR技術で協業!加速する防衛DXとインフラ警備の未来

こんにちは!FDDI事務局です!

2026年7月、車載LiDAR大手のInnovizと防衛企業Givon Defenseが対ドローン(C-UAS)システム向けの精密測位技術で協業を発表。低空飛行するドローンのリアルタイム追跡精度向上を目指す最新の防衛DXおよびカウンタードローン市場の動向を解説します。

要約

  • 高精度な低空検知: 自動運転で培った高解像度LiDAR技術「InnovizSMART」を応用し、従来のレーダーでは識別が困難だった低空飛行ドローンをリアルタイムに3次元追跡。

  • グローバルな提携ラッシュ: 現代戦やテロ対策においてC-UASの重要性が急増しており、欧米を中心に複数センサーを統合した多層防御アライアンスが加速。

  • 日本国内への影響: 重要インフラや空港警備におけるC-UAS導入の必然性が高まる中、地政学的リスクに伴うサプライチェーンの「脱・中国製ドローン(DJI規制)」の動きとも連動。

1. 自動車向けから防衛へ:InnovizとGivon Defenseが挑むC-UASの技術革新

2026年7月1日、車載グレードのLiDAR(光による検知と測距)開発で世界をリードするInnoviz Technologies(NASDAQ: INVZ)と、イスラエルの防衛プラットフォーム企業Givon Defenseは、対無人航空機システム(C-UAS:Counter-Unmanned Aircraft Systems)向けの精密測位技術における協業を発表しました。

本提携は、Innovizが持つ高解像度LiDAR技術と、Givon Defenseが培ってきたC-UASの運用ノウハウを融合させ、低空を飛行するドローンのリアルタイム追跡精度を飛躍的に向上させることを目的としています。

核心的な課題:低空飛行ドローンの検知・追跡

従来のレーダーや光学カメラによるドローン検知には、以下のような特有の課題(ボトルネック)が存在していました。

  • クラッター(背景雑音)の影響: 建物や樹木、鳥などの障害物が多い都市部や複雑な地形で、低空を飛ぶ小型ドローンを誤識別しやすい。

  • 環境光・天候への依存: 夜間や霧、逆光などの悪条件下では、光学カメラの認識精度が著しく低下する。

Givon Defenseは、これらの運用課題をクリアするために複数のセンシング技術を評価してきました。その中で行われた初期テストにおいて、Innovizの既存LiDAR製品がミリメートル〜センチメートル単位の極めて高精度な3次元空間情報(点群データ)を提供できる可能性が示され、今回の共同検証へと至りました。現在は技術評価および初期テストの段階であり、正式な製品統合契約や具体的な納入時期は未定ですが、C-UASの検知能力を次のステージへ引き上げる一手として注目されています。

2. 協業の背景にある「LiDAR」の防衛転用とInnovizの強み

車載Tier1としての実績を「InnovizSMART」へ展開

Innoviz Technologiesは、BMWやフォルクスワーゲングループ(Cariad)などの大手自動車メーカー(OEM)に採用実績を持つ、LiDAR分野の主要Tier1サプライヤーです。同社は自動運転向けに開発した堅牢かつ高解像度なLiDARソリューションを、産業・防衛向け既製ソリューション「InnovizSMART」としてパッケージ化し、以下の広範な市場へ展開を進めています。

  • セキュリティ・防衛・国土安全保障

  • 交通管理(ITS)・モビリティ・ロボティクス

  • 航空・重要インフラ監視

経営陣のコメントから見る狙い

Innovizの創業者兼最高経営責任者(CEO)であるOmer Keilaf氏は、今回の提携について次のようにコメントしています。

「精密な位置特定は、C-UASの進化する課題に対応する上で重要な要素です。当社のLiDAR製品は、低空飛行する脅威をリアルタイムで正確に追跡するために必要な高解像度の空間データを提供するよう設計されています。Givon Defenseとのこの協業は、複雑な運用環境における状況認識の強化とより効果的な対応を可能にする、高度なセンシングの価値を示すものと考えています」

自動車の自動運転で培われた「高速移動する物体を瞬時に三次元識別する技術」が、ドローンという空の脅威に対抗するためのコア技術として最適であることが示された形です。

3. 世界中で加速するカウンタードローン(C-UAS)市場の提携ラッシュ

現在の現代戦やテロ対策において、安価かつ高性能な商業用ドローンの兵器化は最大の脅威となっています。これに伴い、グローバルな防衛産業ではカウンタードローン技術を巡る合従連衡(アライアンス)が急加速しています。

直近の海外における主な提携・契約事例

米防衛専門メディア『The Defense Post』をはじめとする各種報道では、以下のような具体的な協業が相次いで報告されています。

提携企業(時期) 協業・契約の内容
Milrem Robotics × Frankenburg Technologies 無人地上車両(UGV)にドローン迎撃システムを統合する共同開発。
DroneShield × Terma(2026年5月) 包括的な統合カウンタードローン(C-UAS)ソリューションの提供に関する契約締結。
Zen Technologies(インド) インド初となるAI搭載モジュール式対ドローンシステムを発表。

これらの動きは、C-UASが単一のセンサー(レーダーのみ、あるいはカメラのみ)で完結する時代は終わり、LiDAR、無線周波数(RF)検出、AI解析、電子妨害(ジャミング)などを組み合わせた「多層防御(マルチセンサー統合)」が標準仕様になりつつあることを裏付けています。

4. 日本国内の動向:インフラ警備・「脱・中国製ドローン」への波及

海外でのC-UAS技術の急速な進化は、日本国内の防衛・セキュリティ分野にも決定的な影響を与えつつあります。

重要インフラ・空港警備におけるC-UAS導入の必然性

日本国内においても、主要空港や原発、政府重要施設周辺へのドローン侵入事案は現実的なリスクです。航空法による飛行規制だけでは悪意あるドローンを防げないため、重要インフラの警備を念頭に置いたカウンタードローンシステムの検討・実戦配備が急ピッチで進められています。

今回発表されたInnovizのLiDAR技術のように、「低空の脅威をどこまで正確に、かつ誤検知なく捉えられるか」は、日本の都市部や山間部における運用実効性を左右する最大の論点となっています。

サプライチェーンにおける「脱・DJI化」と経済安全保障

C-UASの需要が高まる一方で、ドローン市場全体の勢力図も地政学的リスクによって激変しています。

  • 米FCCによる規制強化: 米連邦通信委員会(FCC)は、DJIやAutel Roboticsといった中国製ドローンの通信規制(Covered Listへの追加など)を含む包括改革案を進めており、米国電力網向け自律ドローンを展開する「sees.ai」などが条件付き承認を取得して「脱・中国製」のインフラ点検ネットワークを構築しています。

  • 日本への波及: 日本の官公庁や防衛・警備分野、さらには主要インフラ企業(電力・ガス・鉄道など)においても、安全保障上の観点から調達網における「脱・DJI化」が加速しています。

C-UASの導入検討と並行して、国内の調達基準が見直される中、Innovizのような米国NASDAQ上場企業かつ西側諸国の防衛企業(Givon Defense)と強固なシナジーを持つ技術が、日本市場の新たな選択肢としてクローズアップされる可能性は極めて高いと言えます。

5. 参考URL一覧

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